歯科の豆知識 vol.9 シーラントについて 〜注意事項、ご存知ですか?〜 2019年7月20日
さて、今回は少し話題を変えて
「シーラント」についてのお話をしましょう。
「シーラント」とは、主に
・乳歯の奥歯
・生えたばかりの永久歯(主に6歳臼歯)
の溝を歯科用樹脂(プラスチック)を使って埋める処置のことです。
歯には細かい溝があります。この溝は歯ブラシが当たりにくく、また甘い成分がたまるので、非常にむし歯になりやすい部位です。
そこを事前に埋めてしまい、むし歯を予防しましょう、という考え方でおこなう処置がシーラントです。
当院にいらっしゃる方の中にも、お子さんのシーラント処置を希望される方がいらっしゃいます。若いママさんたちは、むし歯予防意識が比較的高いので、「シーラント」についてもご存知の方が多いようです。
もちろん、希望があれば処置しますが、浮間アスール歯科では、その際にデメリットも併せてお話しすることにしています。デメリットはご存知ない方がほとんどで、お聞きになると処置を希望されない方もいらっしゃいます。
これを読んでくださっているママさん、デメリットも承知の上でシーラント処置を受けていますか?
では、そのデメリットについてお話ししましょう。
<デメリットその1>シーラントは、少しずつ欠けたり取れたりしてくる!
シーラントは永久的なものではありません。
少しずつ劣化してくるものです。
欠けたり取れたりしたら、また付ければいいのですが、このメンテナンスをしっかりしないと、溝を埋めた意味がなくなってしまいます。むしろ、かえって段差を作ることになってしまい、むし歯ができやすい形になってしまいます。
実際、「シーラントのメンテナンスを怠ったことが原因でむし歯になってしまったのかな」と思われるような状態の歯を見かけたことは1度や2度ではありません。
シーラント処置を受けるのであれば、以降、ずっとメンテナンスに通うという前提で受けていただくようお願いいたします。
<デメリットその2>シーラントは、むし歯を見えにくくする!
むし歯予防のためにおこなうシーラントですが、<デメリットその1>で書いたように、逆にむし歯を誘発することもあります。
仮にそれでむし歯ができた場合、シーラントに隠されてむし歯の発見が遅れる場合があります。実はシーラントの下でむし歯が進行していたなんていうことになると、一体なんのために予防処置を受けたのか、分からなくなってしまいますね。
実はこういったことを防ぐために開発された、中が見える「透明なシーラント」(通常は白い)があるのですが、この透明度が非常に高く、どこに詰めたかとても分かりづらいという欠点があります。どこに詰めたか分からないとすれば、どこが欠けたり取れたりしたかも分かりづらいということになりますね。そのためか、あまり広くは使われていないようです。
以上、デメリットを強調してしまいましたが、しっかりとメンテナンスをすれば、シーラントはむし歯予防の効果が高い処置です。ご希望の方はお声がけください。
次号では、むし歯予防に最も重要な、間食の取り方についてのお話をしたいと思います。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。