歯科の豆知識 vol.8 フッ素洗口剤について 2019年6月22日
前号では、フッ素がむし歯予防に効果的であるというお話をしました。
でも、このフッ素、いざ使おうと思っても、何を選んだら良いか、迷いませんか?
ドラッグストアに行くと、目移りしてしまうほどの種類の製品があります。
歯磨き粉はもちろん、歯磨きジェル、洗口剤などなど。
子ども用のものだけでもかなりの種類がありますね。
迷って結局、「パッケージに惹かれて」、あるいは「値段で選択する」というのが正直なところでしょうか。
今号では、いろいろなフッ素製品のうち、フッ素の洗口剤について、ご説明します。
なお、フッ素製品の選び方には正解があるわけではないので、ご自身やご家庭に合ったものを選んでいただければと存じます。
<よくある洗口剤とは違います>
「洗口剤」と聞くと、歯周病予防のタイプやお口の中をさっぱりさせるものが一般的で、お使いの方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。テレビCMも盛んなので、商品名がいくつか思い浮かぶと思います。
フッ素の洗口剤はこれらとは異なります。
実際は従来からあるものなのですが、あまり馴染みがないかもしれませんね。
ドラッグストアでも販売はしていますが、商品棚に置いてある箱は実は中身が空で、薬剤師さんがいないと購入できないようになっています。
それだけ効果があるということなのですが、使い方を間違えると(たとえば小さなお子さまが大量に誤飲してしまうと)健康被害が生じる可能性があるという意味でもあります。
<何歳から使える?>
そもそも「洗口剤」ですから、ぶくぶくうがいをして、それを吐き出すことができる年齢でないと、このお薬は使えません。ぶくぶくうがいは2歳半ぐらいになってできる場合が多いので、それ以下の年齢の子だと難しいということです。
仮にぶくぶくうがいができたとしても、実際に使用できるのは4歳もしくは6歳以上という制限がかけられていることが多いです。それは、先ほどご説明した誤飲のリスクを考えての判断です。
そのため、一般家庭ではあまり浸透していないわけですが、このフッ素洗口剤、長期的に使用すると、むし歯予防効果はかなり高いとされています。
<フッ素洗口剤をお勧めしたい方>
数あるフッ素製品のなかで、とくにこの洗口剤をお勧めしたい方は、以下の方々です。
1. 歯の質が弱い方
歯医者さんに「生まれつき歯が弱い」といった指摘を受けたことはありませんか?
正確には「エナメル質形成不全」という病名がつくのですが、歯が出てきたときから透明感が低く、白く濁った状態の方がいらっしゃいます。一部の歯だけの場合もあれば、全体的に濁っている場合もあります。
こういう歯は、フッ素を継続的に使って、歯の質を強化していく必要があります。
洗口剤は細かい部分にも浸透するので、おすすめです。
2. 矯正治療中で器具が付いている方
矯正器具が付いている方は、磨きにくさに日々苦労していることと思います。
そんな方にも洗口剤はおすすめです。
先の細い歯ブラシや歯間ブラシでも入り込めないところに薬剤が浸透してくれるので、「矯正器具を外してみたら、むし歯になっていた」といった事態を防ぐことができるかと思います。
3. 学校のお昼休みなどにこっそり(笑)むし歯予防したい方
実はこれは、当院に通ってくださっている中学生の女の子の提案なのです。
その子は「もうむし歯を作りたくない」と悩んでいたのですが、かといって他に誰も磨かないお昼休みに一人だけ歯磨きをする勇気もない・・・。
そこでこのフッ素洗口剤の話をしたところ、「これならあまり目立つことなく、学校でもむし歯予防ができる」と購入されました。
先日また来院されたのでお話ししてみたところ
「たまに忘れちゃうけど、けっこう使ってる」とのことでした。
こんな風に学校や職場で使うのもあり、ですね。
なお、当院では以下のタイプの洗口剤を取扱っています。ご所望の方はお声がけください。
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